ゲーム紹介:シットゥイン
シットゥインは布陣を正式な段階として扱います。ポーンのプロモーションは最終段ではなく、指定された対角線上で行い、自分のシッケが盤上にないことも必要です。そのため、初期配置、シッケの存否、昇格の時機を一つの計画として検討します。
- 対象とするルール
- 本サイトのシットゥイン版。布陣から開始し、指定X字線上でプロモーション
- 改訂日
- · 編集方針と訂正
シットゥインのルールと適用範囲
最初に確認する三つの特徴
シットゥインは布陣から始まります。ポーン以外の8枚を白、黒の順で自陣に配置し、その後に白が初手を指します。ルークは最終段だけに置き、他の駒はその段に置けません。 シッケ(仕)は斜め1マス、シン(象)は斜め1マスまたは正面1マスの短距離駒です。シンは跳躍しません。現代のチェスやシャトランジの走法をそのまま使わないでください。 ポーンのプロモーションは最終段ではなく、相手側半面の指定されたX字の対角線上で行います。自分のシッケが盤上にないことも必要です。その位置を通り越して前進すると、後から戻って昇格することはできません。
布陣は白、黒の順。黒のルークには配置制限がある
開始時に配置済みなのはポーンだけです。白はa3〜d3とe4〜h4、黒は対称となる位置に並びます。白が残る8枚を自陣の半面へ配置し、次に黒が配置します。ルークは自分の最終段に限り、他の駒は自陣内の最終段以外に置きます。 黒のルークを白のキングと同じ遮られていない直線上に置くことはできません。両者の間にポーン以外の駒があれば、この配置制限を回避できます。ポーンだけを間に置いても条件は満たしません。 双方の布陣が終わってから白が最初の着手を行います。キャスリングはありません。AI対局では白・黒を選べます。
色によらず共通する走法
白と黒の走法は同じです。キング、シッケ、シンは短距離駒で、ルークは縦横の長距離駒、ナイトはL字の跳躍駒です。ポーンは正面へ進み、斜め前で捕獲します。 図柄と名称を確認してから、移動方向、距離、障害の条件を覚えます。同じ象の名称でも、シャトランジのアルフィルとは走法が異なります。
キング:各方向へ1マス
キングは縦・横・斜めに1マス動き、捕獲も同じ走法です。チェックを受けた場合は直ちに合法な応手で解消する必要があり、敵の利きへ移動することはできません。キャスリングはないため、通常の移動で安全を確保します。
ルーク:縦横の直線上を進む
ルークは縦または横の直線上を任意の距離だけ移動できます。途中の駒を越えることはできません。敵駒の位置へ合法に移動すると捕獲します。 開いた列や段では、チェック、駒への攻撃、ピンに働く長距離駒です。布陣で予定した経路が、ポーンの移動によっていつ開くかを確認します。
ナイト:L字の跳躍
一方向へ2マス、そこから直角方向へ1マスの位置へ跳躍します。途中にある駒は移動を妨げません。この走法は現代のチェスのナイトと共通です。
シン(sin):斜め1マス、または正面1マス
シンは四つの斜め方向へ1マス、または正面へ1マス動きます。真後ろへの移動、跳躍、斜線上の長距離移動はできません。ただし、斜め後ろの1マスは斜めの走法に含まれます。 シャトランジのアルフィルより短い移動範囲を持ち、ポーンの近くで空間を制御する駒です。両者の象の走法を混用しないでください。
シッケ(sit-ke):斜め1マス。各側1枚まで
シッケは斜め方向へ1マスだけ動きます。同じ側が盤上に持てるシッケは同時に1枚までです。 ポーンをシッケに昇格させるには、元のシッケが捕獲され、ポーンが相手側半面の指定された対角線上に止まっている必要があります。
ポーン(nè):前進と捕獲の方向を分ける
ポーンは正面へ1マス進み、斜め前1マスで敵駒を捕獲します。2マス前進とアンパッサンはありません。初期配置は互い違いのポーン列です。 シッケへのプロモーションは相手側半面の指定X字線上に限り、自分のシッケが盤上に残っていないことも必要です。
プロモーションは位置、資格、1手の消費を確認する
ポーンの昇格は、相手側半面の指定されたX字の対角線上で行います。最終段への到達を条件とする現代のチェスとは異なります。盤上に自分のシッケがある場合は、昇格できません。 適格な位置に止まっているポーンは、その手を使ってシッケへ変えることができます。他の駒の移動と同じ手では行わず、その地点を通過しただけで自動的に昇格することもありません。昇格位置を越えて前進したポーンは、後からその位置へ戻って昇格できません。
勝利はチェックメイト。ステイルメイトを作る手は非合法
相手のキングをチェックメイトにすると勝ちです。一方、相手に合法手がなく、キングがチェックされていない状態を作る手は、本サイトの版では非合法です。それ以外に選べる手がない場合は引き分けとなります。 ステイルメイトを作ってから勝敗を判定するのではなく、その状態を生む着手そのものが禁止されています。シャトランジのステイルメイトによる勝利とも、現代のチェスの判定とも区別してください。
実戦での判断
白、黒の順で布陣し、ルークと白のキングの配置条件を確認する
布陣を正式な段階として扱い、開始時から通常の移動を行いません。
元のシッケが残る場合と捕獲された場合で、同じ昇格位置のポーンを比較する
資格の違いを挙げ、プロモーションに1手を使うことを説明します。
布陣で予定したルークの経路を、ポーン列が変化した後に再検討する
駒の距離だけで布陣を評価せず、予定した攻撃線がいつ使えるかを説明します。
間違えやすい考え方
ポーンは最終段へ到達すれば、任意の強い駒へ昇格できる。
シットゥインの昇格位置、駒種、資格は異なります。本稿の版では、条件を満たした場合にのみシッケへ昇格できます。
局面解説:昇格位置にいても、資格があるとは限らない
自分のポーンが相手側半面の指定X字線上の昇格位置にあります。元のシッケはまだ盤上です。自分の手番で、キングの安全には問題がありません。
この手を使って、ポーンを2枚目のシッケへ昇格できますか?
解答と考え方を開く
できません。本サイトの版では、各側が同時に持てるシッケは1枚までです。元のシッケが盤上になく、位置などの条件も満たしている場合に、その手を使うプロモーションを検討します。
位置、昇格資格、1手の消費を別々に調べます。現代のチェスのように最終段へ進むと自動的に昇格処理へ入る手順も適用できません。
これは学習用に設定した局面で、実戦棋譜やエンジン検証による最善手の証明ではありません。部分図は明記した条件に基づいて判断し、示されていない盤全体の事情を勝手に補わないでください。
段階別トレーニング
ルールを理解する
白、黒の順に布陣し、ルークと白のキングの配置制限を確認してください。
確認の基準:布陣を正式な段階として扱い、開始時から通常の移動を行いません。
候補を比較する
元のシッケを残した場合と取り除いた場合で、同じ昇格位置にあるポーンを比較してください。
確認の基準:資格の変化を列挙し、プロモーションには1手を使うことを説明できます。
振り返って検証する
布陣で予定したルークの経路を振り返り、ポーン列の変化後に使えるかを確認してください。
確認の基準:駒の遠近だけで配置を評価せず、予定した経路の働きを説明できます。
よくある質問
シットゥインは現代のチェスと同じゲームですか?
違います。東南アジアの伝統棋の一つで、布陣から始まります。シンは斜め1マスまたは正面1マス、ポーンの昇格は相手側半面の指定X字線上です。マークルックや現代のチェスの名称を変えただけのゲームではありません。
なぜ開始直後に駒を動かせないのですか?
シッティー(sit-tee)と呼ばれる布陣が正式なルールの段階だからです。ポーンは配置済みですが、残る駒は自分で自陣に置きます。白がすべて配置し、次に黒が配置してから、交互の着手を始めます。
シンは途中の駒を跳び越えられますか?
跳び越えられません。斜め1マスまたは正面1マスの駒であり、進路に駒があればその先へ移動できません。シャトランジの斜め2マスの跳躍駒、アルフィルとは異なります。
シッケが盤上に残っていても、昇格位置のポーンを昇格できますか?
できません。同じ側のシッケは同時に1枚までです。元のシッケが捕獲され、ポーンが指定された相手側半面のX字線上に止まっている場合に、その手を使うプロモーションを検討できます。
黒の布陣で、なぜルークを白のキングに直接向けて置けないのですか?
布陣段階の配置制限です。同じ直線上の両者の間に、ポーン以外の駒が必要です。配置後のチェック判定を待つのではなく、この条件に反する配置そのものが非合法になります。
相手に合法手がない状態を作れば勝ちですか?
チェックメイトでなければ勝ちではありません。本サイトでは、チェックなしで相手の合法手をなくす着手そのものが非合法です。他に選べる手がない場合は引き分けです。
例題で、この手を使って2枚目のシッケを作れますか?
作れません。元のシッケが盤上にあるため、昇格位置にいるだけでは資格を満たしません。位置、元のシッケの有無、プロモーションに1手を使うことを別々に確認します。最終段で自動的に昇格するチェスの手順は適用しません。
最終段へ進めば、任意の強い駒へプロモーションできますか?
できません。本サイトのシットゥインでは位置、駒種、資格が別に定められています。指定条件を満たす場合にだけシッケへ昇格できます。
ルールを確認したら、一局指してみましょう。
まずは小さな課題を一つ決め、勝敗よりもその確認を優先します。一手ずつの振り返りを次の学習につなげましょう。
対局を始める:シットゥインルールの出典と編集上の注記
- Ply Yardの現行シットゥインルール
本稿が対象とする盤面の仕様と基本操作を確認する資料です。本サイトの説明を、すべての競技規則に共通する規定とは扱いません。
本稿は、対象の盤面のルール説明に、学習用の局面と練習を組み合わせたものです。基本ルール、版による違い、実戦上の助言を区別しています。ルールの説明は上記資料を参照していますが、教材がエンジンの全探索や専門棋士による認証を受けたという意味ではありません。
執筆:Ply Yard。氏名を明示した専門棋士による独立した校閲は未実施です。誤りを見つけた場合は、ゲーム名、規則の版、局面、参照条項を添えて次のアドレスへご連絡ください: contact@plyyard.com。



